4 Monate alt--2ヶ月--

「あー」
「ウン」
「あうー」
「ウンウン」
「うぶ」
「へー、そうなの」
「んくっ」
「ほうほう」
「あーぶー」
「そうかー。それで?」

「…彼の言葉がおわかりになるんですか、将軍?」
「え?全然わかんない」
「……。でも対等にお話になっていたでしょう?」
「そうだね。こんな小さな赤ん坊だって、きっと一生懸命自分の気持ちを伝えようとしてると思うんだよね」
「はぁ」
「もちろん言葉とかわからないから、みんなのマネをして声を出すだけだけど」
「そんなものですかね」
「そうだよ。もちろん動作や表情、泣き声、いろんな方法で表現しているけれど、声を出すのも一つだろうね」
「確かに表情は豊かですけどね。泣き方も、私にはあまり区別がつきませんが、要求によってそれぞれ違うようですし。小さいなりに、ちゃんと使い分けているんですね」
「ワシ、孫は何人かいるけれど、みんなこうやって赤ん坊のころから会話してきたんだよ。懐かしいなぁ。まさか曾孫までこうやって話すことになるとは思わなかったけど」

「あっぷぅ!」
「あ、ほら、パパの方を見て話してるよ」
「……」
「マスタング君もやってみなさいよ。子供とのコミュニケーションは、大切だよ」




□ □ □




「うぎゃ〜」
「あらあら、どうしたの?お腹空いたのかしら」
「もうそんな時間か」
「はい、おまたせ。いっぱい飲んでね。
 …どうしたんです?じっと見て」
「いや、なんというか」
「?」
「羨ましいなと思って」
「あなたもお腹空いたんですか?」
「そうだな、私もそれ飲みたいな」
「!…馬鹿なこといってないであっちにいっててください!恥ずかしい!」
「いいじゃないか、微笑ましい母子の授乳姿」
「あなたが言うと、そうは聞こえません!」




□ □ □




「こんにちは、ロイくん」
「やあエリシア、来たのか」
「赤ちゃん、みせてぇ!!」
「いいよ、ほらこっちにおいで」
「かわいいねぇ」
「そうだね」
「赤ちゃんは男の子だから、エリシアの弟?」
「うーん、弟とはちょっと違うが、まぁ弟みたいなものだな」
「じゃあエリシア、赤ちゃんのお姉ちゃんだね!」
「そうだね、嬉しい?」
「うん、嬉しい!」
「それはよかった」
「あのね、ロイくんにお願いがあるの」
「なんだい?」
「エリシアね、妹が欲しいの」
「…は?」
「だからね、次は女の子ね」
「ちょっとまて、エリシ…」
「ママがね、もうママはパパがいないから赤ちゃんは産めないから、ロイくんにお願いしてみたらって」
「……」
「だから、お願いね」
「う…、そうだな、考えておくよ」





(2008.03.07)

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